公募研究

生物合成系の再設計による複雑骨格機能分子の革新的創成科学

領域略称名 生合成リデザイン
領域番号 2805
設定期間 平成28年度〜平成32年度
領域代表者 阿部 郁朗
所属機関 東京大学大学院薬学系研究科

多くの生物のゲノム情報が容易に入手可能となり、ゲノムマイニング(遺伝子探索)により様々な天然物の生合成遺伝子を取得し、その生合成系を再構築することで天然物の生産が可能となりつつある。次のブレークスルーは、この生合成マシナリーを如何に活用するかという点であり、本研究領域では、生合成の「設計図を読み解く」から、さらに「新しい設計図を書く」方向に飛躍的な展開を図る。即ち、天然物構造多様性の遺伝子・酵素・反応の視点からの精密解析に基づき、新たに生合成工学や合成生物学の世界最先端の技術基盤を確立することで、生合成システムの合理的再構築による複雑骨格機能分子の革新的創成科学を新たな学術領域として展開する。

このため、以下の研究項目について、「計画研究」により重点的に研究を推進するとともに、これらに関する2年間の研究を公募する。1年間の研究は公募の対象としない。また、研究分担者を置くことはできない。

公募研究の採択目安件数は、単年度当たりの応募額300万円を上限とする研究を30件程度予定している。

研究項目A01では、非天然型機能性分子人工生合成のための革新的な手法開発や、擬似天然物合成生物学研究などにより、天然にないものをつくる。研究項目A02では、物質生産過程における一次代謝と二次代謝とのクロストークの解明と制御や、大量生産系構築のための革新的な手法開発などにより、稀少なものを大量につくる。研究項目A03では、生合成系の精密機能解析研究や、構造基盤の解明研究、ゲノム進化研究などにより、マシナリーの構造と機能を解明する。これら3つの研究項目を設定し、生合成システムの合理的再構築により、狙ったものを正確に作る、天然物を凌ぐ新規希少機能性分子の大量安定供給という目的を達成する。

特に、領域において共同研究を積極的に推進する提案や、若手研究者からの意欲的な提案を歓迎する。また、天然物化学だけでなく、物理分析化学、生物工学、有機合成化学、医薬化学、反応化学、計算化学、システム工学といった異分野の研究者の参画を期待している。

なお、研究内容の詳細については、領域ホームページを参照すること。

研究項目 応募上限額(単年度) 採択目安件数
A01天然にないものをつくる 300万円 10件
A02稀少なものを大量につくる 300万円 10件
A03マシナリーの構造と機能 300万円 10件